コロナ禍で加速!「推し活」を楽しむ女性の消費傾向をアンケート調査

「推し消費」についてのインサイトをお届け!マイナビニュースでは、抜け出せないほど何かに夢中になっている状態=「沼落ち」しているという意味でオタク女子のことを『沼女子』と呼んでいます。消費の起点が「推し」になっている彼女達にアンケート調査を実施し、その消費傾向を読み解きます。

  • 調査対象
    23~39歳/全国/未婚/子どもなし/正社員、公務員・団体職員/「アイドル・俳優/キャラクター・アニメ・声優/舞台(2.5次元含む)」にどっぷりとハマっている(夢中になってお金や時間を注いだりしている)と回答した方
  • 有効回答数
    844件
  • 調査時期
    2022年1月17日~2022年1月18日
  • 調査方法
    インターネット調査

コロナの影響で、市場は拡大傾向

コロナ禍ではおうち時間が増え、オーディション番組からアイドルにハマった方や、サブスクリプション(以下サブスク)がきっかけでアニメにハマった方、今までとは違う新しいジャンルにハマった人など、大小問わず「沼」にハマった方が増えました。
今回のアンケートでは、「沼女子」の消費を解説しながら、「ジャンル=沼」と考え、大きくアイドル沼/俳優沼/アニメ・キャラクター沼/声優沼/舞台沼(2.5次元含む)の5つに分類。

市場の大半を占めているのがアイドル沼、次にアニメ・キャラクター沼が多い結果となりました。数だけ見るとアイドル沼が圧倒的ですが、推し活に年間100万円以上使う割合は舞台沼(2.5次元含む)が一番高いなど、沼によって消費の仕方が違うようです。

マーケターから一言!

マーケターから一言!

昨今、さまざまな形態のボーイズグループがデビューしており、「アイドル」というジャンルが簡単には括れない時代になりつつあります。
5年後には、この勢力図も変わってくるかもしれませんね。

さらにアンケートを細かく見ていくと、「アニメ・キャラクター沼の消費はグッズが起点」「アイドル沼の消費マインドは“推しの未来のため”」など、ジャンルによって消費のマインドにも違いがあることが分かりました。

ジャンル別の詳しいインサイトやアンケート結果も、ホワイトペーパーとして順次アップしていく予定ですので、お楽しみに!

あなたが一番ハマっているジャンルは何ですか?(単一回答)

あなたが一番ハマっているジャンルは何ですか?(単一回答)

(n=844)

コロナがきっかけで何かにハマってしまった方は、全体の10%ほど。割合だけで見ると微増に見えますが、彼女達のほとんどがAfterコロナでもハマった沼にお金を落とし続けると回答しています。
さらに、ハマった当初より今の方が使う金額が増えていると答えた方は85.5%!沼女子は増えることはあっても減ることはなく、ハマればハマるほど大きく金額を使う、という傾向が伺えます。

マーケターから一言!

マーケターから一言!

ちなみに、使う金額が「多少増えた」「増えた」と答えた方の割合が最も多かったのはアニメ・キャラクター沼!
サブスクが浸透したため、1つの作品にハマるだけではなく「ドンドン他の作品にもハマってしまう」という沼が広がるループができているのかもしれません。

ハマっているジャンルは、新型コロナウイルス感染拡大がきっかけでしたか?

ハマっているジャンルは、新型コロナウイルス感染拡大がきっかけでしたか?

(n=844)

新型コロナウイルス感染拡大がきっかけと答えた方にお聞きします。そのジャンルは、新型コロナウイルス感染拡大が収束しても応援していきたいと思いますか?

新型コロナウイルス感染拡大がきっかけと答えた方にお聞きします。そのジャンルは、新型コロナウイルス感染拡大が収束しても応援していきたいと思いますか?

※コロナがきっかけでなにかにハマったと答えた方のみ。(n=117)

新型コロナウイルス感染拡大がきっかけと答えた方にお聞きします。ハマった当初と今では、ジャンルに対して使う金額は変わりましたか?

新型コロナウイルス感染拡大がきっかけと答えた方にお聞きします。ハマった当初と今では、ジャンルに対して使う金額は変わりましたか?

※コロナがきっかけでなにかにハマったと答えた方のみ。(n=117)

イベントが無かったコロナ禍。彼女達の消費はどこに向かっていた?

コロナ前はライブやコンサート、展示会に行くために頻繁に遠征していた方が多数派でしたが、コロナ禍は外出できなかったため割合が大幅に減少。
チケット代が遠征代ほど下がっていないのは、オンライン配信などの影響があると思われます。

上記2つの代わりに伸びたのがCD・DVDなどの映像作品代。ライブなどで推しにお金を使えない分は、こちらの消費に回っていったようです。
どちらにしろ、「推しにお金を使いたい」というマインドは、コロナ禍でも変わっていません。全体的に見ても、外出せずに購入できる物に関しては、どの分野も伸びている傾向です。

マーケターから一言!

マーケターから一言!

アンケートを細かく見ると、アニメ・キャラクターを推している沼女子はコロナに関係なく、グッズ代に一番お金を使っている傾向です。
この現象がなぜ起こるのか、実際にアイドル・アニメ両方の沼を経験した沼女子から話を聞いてみたところ、「アイドルのグッズは基本、自分の推し関連しか買わない。でもアニメはブラインド(中身が分からない)商品が多いから、自分の推しが出るまで沢山買わないといけない。」との回答が!
アニメの沼女子達は推し1人にお金を使うよりも、グッズ体系の影響で作品全体にお金を使う傾向があるのかもしれませんね。
このような背景もあり、アニメにハマっている方たちは「低単価のものを沢山買う」ということに抵抗が無く、「推しのグッズが当たるか分からないけど、当たるまで買う」というマインドでグッズを購入すると考えられます。

新型コロナウイルス感染拡大前/感染拡大の渦中は、ハマっているもののために使うお金の中で、金額の割合が高いものは何でしたか?それぞれ3つずつ教えてください。

新型コロナウイルス感染拡大前/感染拡大の渦中は、ハマっているもののために使うお金の中で、金額の割合が高いものは何でしたか?それぞれ3つずつ教えてください。

(n=844)

伸びたグッズ消費、彼女達は企業に何を求めている?

推しが宣伝しているものを購入するのはもちろん、推しとは全然関係が無いのに「この商品、メンバーのカラーだ…」と思うと買ってしまう層が多いのも沼女子の特徴。
商品のカラーリングを変えるだけでも、商材の売り上げを伸ばせる可能性があるでしょう。

マーケターから一言!

マーケターから一言!

アイドルの多くはそれぞれメンバーカラーを持っていますが、アニメ・キャラクターは明確にカラーが決まっていないことが多いので、カラーリングでの消費が大きく見込めるのはアイドル沼だと考えられます。
ただ、アイドルを題材にしたアニメ作品やゲームについては、現実のアイドルと同じようにメンバーカラーが決まっていることがあるので、その場合はアイドル沼と同じような消費行動を起こすと考えられます。

応援している作品や人が宣伝していることをきっかけに、商品・サービスを買ったことはありますか?

応援している作品や人が宣伝していることをきっかけに、商品・サービスを買ったことはありますか?

(n=844)

作品カラー・アーティストカラーを意識して、商品・サービスを買ったことはありますか?

作品カラー・アーティストカラーを意識して、商品・サービスを買ったことはありますか?

(n=844)

推しがコラボするなら、どんな商品がいい?

アンケートで、「企業と推しがコラボするならどんな商品が良いか」を調査!
最も声が大きかった4つのカテゴリを、その理由と彼女達が重視しているポイントと共にご紹介いたします。

化粧品(プチプラ・デパコス問わず)

化粧品(プチプラ・デパコス問わず)

遠征に行けない分、コロナ禍では化粧品や美容にお金を回したと答える方が多数。そのため「どうせ買うなら使える物を!」と、美容関連の商品とコラボを熱望する声が多数。また、舞台やコンサートではステージからファンの顔や服装などが意外と見えています。そのため、Afterコロナにおいても推しに会いに行くことを重点に置いている沼女子は「キレイな自分で会いたい」と考え、自分を磨く方向に消費が動くでしょう。

食品(お菓子・飲料など)・日用品

食品(お菓子・飲料など)・日用品

沼女子を続けていると、グッズが溜まってしまうのもよくある悩み。特にアニメ・キャラクター沼は、封を開けないとどのキャラクターの特典か分からない商品(=ブラインド商品)が主流のため、一人で何個も買う沼女子が多く、消費できるものだと助かるという回答が目立ちました。さらに、「コンビニなどで全国どこでも購入できる商品だと嬉しい」という声も沢山寄せられました。

アクセサリー・ジュエリー

アクセサリー・ジュエリー

消え物とは反対に、形に残るものが欲しいと思うのも沼女子。毎日身につけられるアクセサリーも需要が高めです。自由に使えるお金の範囲が広いため、単価の高い商品の需要もあるようです。アニメのキャラクターが作中で身につけている物を商品化したり、アイドルの推しが監修したアクセサリーなども、かなり需要がありそうです。

洋服・カバン

洋服・カバン

毎日身につけられる物はやはり人気!普段使いしようと考えている方も多いため、「オタクっぽいものはいらない。オシャレなものがいい!」「持っていて恥ずかしくないデザインがいい!」という彼女達のインサイトをしっかりと踏襲したグッズ作りが消費のカギになります。

まとめ

コロナ禍の影響で一人で過ごす時間が増え、今までの自分の趣味ができなくなったり、仲間と何かを一緒にすることも少なくなりました。そんな状況において、「推し消費」=新しい趣味・生きがいとして位置づける方も多くなっているのだと感じます。

また、推し活の先にはSNSなどで繋がれる「同じ推しを応援する仲間」との出会いもあり、コロナ禍で孤独感を感じている層にとっては、直接会えなくても一緒に推し活をする仲間がいる、という充足感にも繋がっているのではないでしょうか。

さらに、消費については必ずしもコラボしているものだけに購買意欲を掻き立てられるのではなく、カラーリングなどで推しを感じられれば、消費が動く可能性があることもアンケートから読み取れます。

幅広い商品ジャンルで消費が動く可能性があり、特にコラボしている商品に関しては「とりあえず買う」という消費マインドがあるため、新たな顧客層の獲得やブランドスイッチの促進も見込めるでしょう。

マイナビメディアでは、定期的に消費者インサイトを調査し、時流を捉えたメディア運営を行っています。
アフターコロナの消費、推し消費を狙ったプロモーションは、マイナビニュース・マイナビウーマンまでお気軽にご相談ください!

2022年5月16日更新